Visited Sep. 23. 2019
セルゲイソ連スキーです。
今回はバイカル湖岸を走る Кругобайка́льская желе́зная доро́га (КБЖД) Circum Bikal Railway に乗ってみました。
鉄道と、バイカルからリストバンカの船(私が乗ったもの)、リストバンカからイルクーツクまでのバスもついでに紹介します。
日本語ではバイカル湖岸鉄道として知られていますが、直訳すると環バイカル鉄道です。乗車したのはスリュジャンカからバイカル(ポートバイカル)までの89km。
2017年に私がロシア号に乗車した時スリュジャンカからイルクーツクの間スリュジャンカ発車後右手にバイカル湖横に線路が見えました。見た瞬間は廃線跡かと思っていたんですが現役で、定期列車が週4往復運転しています。
地図
バイカル湖岸鉄道の盲腸線区間は本線からスリュジャンカ2駅で分岐します。列車はスリュジャンカ1から発車します。
バイカルからリストバンカまではフェリーか水上タクシーがあります。
本線のスリュジャンカ-イルクーツク間は山越え区間で地図のような形でかなりのカーブがあります。この区間は景観が良いので本線を乗る場合で選択肢があるならここは昼間に通過する便をお勧めします。
歴史
Кругобайкальская железная дорога — Википедия
Circum Bikal Railwayは現在、 Baikal – Mysovaya 駅までの260kmの区間です。1899に工事を開始し1905年に開通しました。
1949年までBaikalからSlyjanka まではトランスシベリアンレールウェイのメインルートでした。(Slyjanka からMysovayaは今日もメインルートです。)
1949年にスリュジャンカ2からイルクーツクの山越え区間が開通し、スリュジャンカ2からバイカルを経由してイルクーツクへ向かう区間の重要性は無くなりました。
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Строительство перевальной дороги Иркутск — Большой Луг — Слюдянка началось в августе 1941 года с проходки двух тоннелей близ станции Култук. Полностью однопутная «срезка» была введена в эксплуатацию 1 января 1949 года, |
1949年複線だったものを単線化しました。
1956年アンガラ川にイルクーツクダムが完成しました。スリュジャンカ-バイカルまでの盲腸線 dead end 区間になりました。アンガラ川左岸にあったバイカル-イルクーツクの鉄道ルートは1958年までに完全に水没しました。
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21 декабря 1982 года решением Иркутского облсовета участок КБЖД Байкал — Култук был объявлен архитектурно-ландшафтным заповедником и взят под государственную охрану |
1982年イルクーツク州評議会によりБайкал — Култук の保護が決定しました。
現在観光的な役割の他に、地元民にとって基本的な物資を運ぶ鉄道で必須なため передача (transfar)と呼ばれています。
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Этот поезд именуется жителями придорожных селений словом «передача», отражающим значение этого транспорта для обеспечения их предметами первой необходимости. Ещё одно название поезда — «мотаня» (мотается между станциями, потому и «мотаня»). |
時刻表
現地時間のダイヤ。2019年9月29日調べ
- 6201レ Слюдянка 13:37 → Байкал 18:31
- 6202レ Байкал 2:56 → Слюдянка 7:26
6202レのバイカル発は深夜2時半であまりにも乗りづらいですし寝ながら乗りたくはありません。景色は見たいですからスリュジャンカ発の列車に乗ることにします。
運転日は、6201レ:月木金日 6202レ:月火金土 です。
この他に臨時列車も運転しています。
★時刻、運転日は変わる可能性があります。RZD公式で事前に確認をお勧めします。
乗ってみた
スリュジャンカ1駅。長距離列車が停車する駅ですが小さな町です。
スリュジャンカは大した飲食店はないのですが、駅の反対側にRZDのスタローバヤがあり300円くらいで割と食えます。
町には特筆すべきふざけた食べ物屋があります。それはKFC (King Food Слюдянка) キングフードスリュジャンカという店。СлюдянкだけなんでキリルのCなんやねん。
しかも寿司やピザも売っていてKFCとは一線を画すというか単純に無視した品ぞろえ。チキンの値段は忘れましたがロシアにしては高いくせに出てくるまで20分かかるなどファストフードとは言えないペース。私は急いでないのでいいから良いけど。スリュジャンカを訪れた際はぜひ偽KFCに寄ってみてください。
スリュジャンカ1駅に13:20ごろに入線してきました。T3M2 Нижнеудинск 機関区 (Nizhneudinsk)。
週4便しかありませんが、客は思っていたよりも乗っています。客車はプラツカルテのものですが、枕木方向の席も通路方向の席も人が埋まっています。私の真横は6人組の男が乗ってきて賑やかでした。
発車しスリュジャンカ2駅を過ぎたころ右に分岐していきます。
しばらくすると線路跡が見えます。昔はあちらの線路を使っていたのでしょう。特に撤去はしてないのはロシアが広いからでしょうか。
席を選ぶ時は右手が良いです。ゆっくりと過ぎ去るバイカル湖を眺めます。対岸の山は遠く霞んで見えます。
スリュジャンカからバイカルまでは89km。そこを4時間50分かけて走ります。平均速度18km/h。ロシアの支線で遅いなあという所はいくつか体験しましたがここまで遅いのは初めてです。gpsの速度計で見ると時速25kmほどか速くても時速30kmです。
貨物列車の留置やすれ違いは一切なく運転していません。見た限り沿線には特に産業らしきものもなさそう。別荘らしきものやダーチャがあるだけです。
途中駅
Оп 120км 駅
途中なんて誰も住んでいないだろうと思いきやダーチャが点在しています。降車客もいます。別荘で休暇を過ごすのでしょうか。私の隣の席に居た7人の男が一気に降りていきました。降車客だけでなく乗車客も居ました。
途中には高級感のあるコテージがあります。リッチな感じのホテルなのでしょう。
交換
Шарыжалгай 駅でバイカル発スリュジャンカ行き臨時列車の通過待ちをします。Circum Bikal Railwayで検索すると、この臨時列車はSLの写真がよく出てきますが、実際この日はDLが走ってきました。アンガルスク駅で購入したКБЖД(Circum Bikal Railway)の小冊子によると、SLは2015年に復活したらしいのですがいつ走っているのでしょうかね。
客車でなくエレクトロ―チカを引いています。
食べ物を運ぶ
Уланово 駅で6つくらいの袋を下ろしている場面を見かけました。丁度車両後ろのデッキで写真を撮っていた時なので袋を一緒に下ろします。
歴史の項に先述しましたが列車は地元民にとって必須です。
車掌に聞いてみたところ食料や郵便をこの列車で運んでいるそうです。沿線にはアクセスする道はありませんからこの列車だけが生命線。
元複線
トンネルの大きさは複線の広さがあります。線路は片側に寄っているのではなくド真ん中に引き直されています。歴史の項で先述したようにここがメインラインだった時は複線でしたが必要なくなったので単線になりました。逆冠着です。
1両の客レなので後方デッキで写真をとれるのが良いですね。
優しい
乗客はあそこにSLが置いてあるよとか停車するよとか教えてくれます。列車の速さと同様にのんびりしていて優しい人が多いです。リゾート地だからなのかもしれないです。定期列車の所要時間は4時間50分ですが臨時列車は5時間50分なので、臨時だとこういうところで停車するサービスがあるのかもしれません。
ロシアではよくあることですが車掌は客席でだべってるしのんびりしています。
途中駅から乗り込んできた夫婦と話したりチョコやパンを分け合ったりしました。リストバンカ経由でバスで当日中にイルクーツクに行くとのこと。私はリストバンカで1泊を選択しましたが、列車→渡し船→リストバンカ→バス→イルクーツクのルートで当日中にイルクーツクに行けるようです。
終点バイカル
終点が近づくと右手に船が見えてきます。ポートバイカルです。
船の残骸もあります。
夕日が沈むころ列車はバイカル駅に到着します。木造の横長ログハウスの駅舎です。
乗客は慌ただしく港の方へ歩いていきます。フォローミーと言われたのですが自分は出来るだけ写真を撮りたいので、置いて行かれるのと写真を撮るのギリギリの線で写真を撮りつつ彼らに付いていきます。
駅近くにはここを力走した歴史のありそうな機関車が置いてあります。
どこでも見かけまますしロシアの蒸気機関車の静態保存個体数は途方もないです。どの場所も塗装がボロボロというのは見たことないので労働者が塗っているんでしょうね。
運賃
スリュジャンカ-バイカル
157RUR
船 バイカル-リストバンカ
バイカルからリストバンカまではフェリーがあります。移動は心配ないでしょう。
私が行った時はgooglemap上のフェリー航路ではなくもっと北東の方にある船乗り場でした。フォローミーと言われたのでぞろぞろロシア人が歩いていくのについていきます。
想定していたフェリーと違う。
想定していたフェリーより50周りぐらい小さいぞ。運転士含めて6人乗り。全員乗り切れないのでピストン輸送します。フェリーの最終は行ってしまっていて多分水上タクシーなんでしょう。船着き場と言っても湖岸に手で押さえてるだけです。
乗っている間ライフジャケット着用。私には渡してくれましたが、数が足りないのか付けていない人もいました。船の後方に沈み込みが激しく、前側に寄れという指示。圧倒的渡船。最後に面白いものが見れました。
水上タクシー運賃
200RUR
フェリーは乗っていないのでわかりませんがもっと安いと思います…
リストバンカ-イルクーツク バス
小さなマルトシュカです。
- 運賃は150ルーブル。
- 所要時間: 1時間15分くらい(1時間30分が正しいらしいけども運転士が飛ばすので早く着きます)
タクシーでも1500ルーブルでリストバンカからイルクーツクまで乗れるみたいです。
おわりに
バイカル湖岸鉄道は本当に景観が良いのでおすすめです。イルクーツクにあるツアー会社を経由しても乗るコースがあるようですが全部自分で乗れば安く済みますしおすすめです。
SLに乗るならツアーが必要なのかもしれません。
追記:
https://twitter.com/oyabibin/status/1178220080934486016
運が良ければSL便乗もあるそうです。
私が2019年9月23日に行った時、SLについてスリュジャンカ駅で聞いたところ今日はエレクトローチカだと言われ、ついでにイルクーツクのツアー会社の名刺を渡されました。
以下がその情報です。
URL : tutubaikal.ru
mail : info@tutubaikal,ru
Adress: Irkutsk Stepana Razina st. 26
トリップアドバイザー
https://www.tripadvisor.com/Attraction_Review-g4960951-d2219448-Reviews-Circum_Baikal_Railway-Slyudyanka_Irkutsk_Oblast_Siberian_District.html
Sludyanka Слюдянка
Baykal Байкал
Listvanka Листвянка
Irkutsk Иркутск
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